転職ノウハウ

【転職活動の流れ】準備から内定・退職まで7ステップ|期間の目安と見落としやすい死角

転職活動は、流れさえつかめば、やることはシンプル。準備から内定・退職までを7つのステップに分けて、それぞれのやることと、見落としやすい死角をまとめた。

公開日 2026-10-06

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「転職したいけど、何から始めればいいかわからない」 「仕事をしながら、どれくらいの期間で転職できるんだろう」

初めての転職活動では、やることの順番も、かかる時間も見えないまま、なんとなく求人サイトを眺めて終わってしまいがちです。

転職活動は、流れさえつかめば、やることはシンプルです。この記事では、準備から内定・退職までを7つのステップに分けて、それぞれのやることと、見落としやすい「死角」をまとめました。

この記事でわかること

  • 転職活動の全体の流れと、期間の目安
  • 各ステップでやることと、つまずきやすいポイント
  • 在職中と退職後、どちらで転職活動をするべきか

1. 結論:転職活動は7ステップ。期間は約3か月が目安

先に全体像です。転職活動は、次の7つのステップで進みます。

ステップやること期間の目安
① 転職の軸を決める転職したい理由と、譲れない条件を整理する約1週間
② 情報収集・登録求人サイトや転職エージェントに登録する数日〜1週間
③ 書類を作る履歴書と職務経歴書を用意する約1週間
④ 応募する気になる求人に、複数並行で応募する約1週間
⑤ 面接を受ける一次面接から最終面接まで進む約4〜5週間
⑥ 内定・条件を確認する労働条件を書面で確認し、承諾か辞退かを決める約1週間
⑦ 退職・入社の準備退職を伝え、引き継ぎをして入社する約1〜2か月

※期間は一般的な目安です。応募する企業の数や、選考の進み方によって前後します。

平均は約3か月。6か月かかっても焦らなくていい

すべてのステップを合わせると、転職活動にかかる期間は約3か月が目安と言われています。

ただ、これはあくまで平均です。仕事をしながら進めていると、面接の日程が合わなかったり、書類作成に時間がかかったりして、6か月ほどかかることも珍しくありません。

3か月を過ぎても、焦る必要はありません。むしろ、期限を気にして先に出た内定をすぐに承諾してしまう方が、後悔につながりやすくなります。

また、見落としやすいのが、内定が出てから実際に入社するまでにも、1か月以上かかることです。法律上は、退職の2週間前までに伝えれば辞められます。ただ、多くの会社では、就業規則で「退職の1〜2か月前までに申し出ること」と決められています。「◯月までに転職したい」という目標があるなら、早めに動き始めておくと安心です。

仕事を続けながら進めるのが基本

転職活動は、今の仕事を続けながら進めるのが基本です。収入が途切れないので、焦って妥協した転職先を選ばずに済みます。

在職中と退職後のどちらで進めるべきかは、3章で詳しく比べます。

次の2章からは、7つのステップを1つずつ、やることと死角に分けて解説します。


2. 7つのステップでやることと、見落としやすい死角

2-1. ① 転職の軸を決める

やること:転職したい理由と、譲れない条件を整理する

転職活動で最初にやるべきことは、求人を探すことではありません。「なぜ転職したいのか」と「次の会社に何を求めるのか」を整理することです。これを「転職の軸」と呼びます。

軸が決まっていないまま求人を見始めると、年収や知名度など、目に入りやすい条件だけで選んでしまいます。その結果、入社してから「本当に変えたかったのは、そこじゃなかった」と気づくことになりかねません。

手順1:今の不満を書き出し、「何が変われば解決するか」に言い換える

まずは、今の仕事や会社への不満を、思いつくまま書き出してみましょう。そのうえで、それぞれを「何が変われば解決するか」に言い換えます。

今の不満何が変われば解決するか
残業が多くて、自分の時間がない残業時間が月20時間以内になる
頑張っても給料が上がらない成果が年収に反映される評価制度がある
上司と合わない上司・チームとの相性(※会社を変えなくても解決できる可能性あり)
今の仕事に成長を感じない新しいスキルが身につく仕事を任せてもらえる

不満のままだと「今の会社から離れたい」で止まってしまいますが、言い換えると「次の会社で何を確かめればいいか」が見えてきます。

手順2:譲れない条件を3つに絞る

言い換えた条件の中から、絶対に譲れないものを3つ選びます。

条件をすべて満たす会社は、まずありません。年収も、働き方も、仕事内容も、人間関係も、と欲張るほど、どの求人を見ても決めきれなくなります。だからこそ、何を優先するのかを先に決めておくことが大切です。

このとき、「〜がある」という条件だけでなく、「〜がない」という条件も候補に入れましょう。たとえば「転勤がない」「年収が今より下がらない」などです。こうした条件は、求人を見ているときには気づきにくく、入社してから困ることが多いからです。

それ以外の条件も、無視していいわけではありません。優先順位をつけておき、複数の求人や内定を比べるときの判断材料にします。

区分例使い方
譲れない条件(3つ)残業月20時間以内、転勤がない、年収が今より下がらない満たさない求人には応募しない
その他の条件研修制度、オフィスの立地、福利厚生優先順位をつけて、求人や内定を比べるときに使う

死角:その不満、本当に転職でしか解決できない?

ここで一度、立ち止まって考えてほしいことがあります。書き出した不満は、本当に会社を変えないと解決しないものでしょうか。

たとえば「上司と合わない」「今の部署の仕事がつまらない」という不満は、会社ではなく、配属先や上司が原因になっていることがあります。この場合、社内異動の制度を使えば、転職しなくても解決できるかもしれません。

逆に、原因を確かめないまま転職すると、次の会社でも配属先や上司が合わず、同じ不満を繰り返すことになります。「どの会社に行くか」と同じくらい、「どの部署で、誰と働くか」が働きやすさを左右するからです。

もちろん、それでも転職した方がいいケースは多くあります。大切なのは、転職を「なんとなく今の環境から逃げる手段」にしないことです。原因がはっきりしていれば、次の会社選びで確かめるべきポイントも明確になります。

この軸は、あとのステップでも使う

ここで整理した転職の軸は、この先のステップでも繰り返し使います。

  • ② 情報収集:求人を絞り込む基準になる
  • ③ 書類作成・⑤ 面接:「転職理由」や「志望動機」を答えるときの土台になる
  • ⑥ 内定:複数の内定を比べるときの判断基準になる

最初に時間をかけておくほど、あとのステップがぐっと楽になります。

2-2. ② 情報収集・登録

やること:求人の探し方を知り、使うサービスに登録する

転職の軸が決まったら、次は求人を探す準備です。求人の探し方は、大きく4つあります。

探し方特徴向いている使い方
転職エージェント担当者が求人を紹介し、書類添削や面接の日程調整もしてくれる転職活動の中心にする
転職サイト自分で求人を探して応募する自分のペースで、幅広く求人を見る
スカウトサービス経歴を登録しておくと、企業から声がかかる自分の経歴が、どんな企業に評価されるかを知る
企業の採用ページ・知人の紹介企業に直接応募する行きたい企業が決まっている場合に使う

初めての転職なら、転職エージェントを中心に、転職サイトやスカウトを組み合わせるのがおすすめです。書類の書き方や面接の受け方に不安があっても、担当者に相談しながら進められるからです。

転職エージェントは、1社ではなく複数登録する

転職エージェントを使うなら、1社だけでなく、複数社に登録して比べながら使うのがおすすめです。

同じ会社のエージェントでも、担当者によって、紹介される求人も、伝えられる年収の目安も変わります。1社だけだと、紹介された求人や年収が自分に合っているのかを判断できません。

どのエージェントに登録すればいいか、どう比べればいいかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 【転職エージェントおすすめ】大手3社の併用登録が正解|リクルート・doda・マイナビの使い分けと比べ方

死角:求人票には、いちばん知りたいことが書かれていない

求人票には、仕事内容や年収、勤務地などが書かれています。ただ、①で整理した転職の軸のうち、いちばん確かめたいことが書かれていないことがよくあります。

  • 実際の残業時間:「月平均20時間」と書かれていても、部署によって大きく違うことがある
  • 配属先の部署や上司:入社後にどのチームで、誰と働くのかは、求人票ではわからない
  • 年収の内訳:「年収500万〜700万円」の幅のうち、自分がどこに当てはまるのかはわからない

こうした情報は、求人票だけでは手に入りません。次のような方法で、補っていきましょう。

  • 転職エージェントに聞く:担当者は、企業の採用担当者から、求人票に書かれていない事情を聞いていることがある
  • 公開されている一次情報を見る:上場企業なら、有価証券報告書に平均年収や平均勤続年数が載っている
  • 面接で直接聞く:配属先や働き方は、面接の逆質問で確かめられる

2-3. ③ 書類を作る

やること:履歴書と職務経歴書を用意する

応募には、主に2つの書類が必要です。

書類書く内容役割
履歴書氏名、学歴、職歴、資格などあなたの基本情報を伝える
職務経歴書これまでの仕事内容、実績、身につけたスキル「この人に任せたい」と思ってもらう

書類選考で特に見られるのは、職務経歴書です。履歴書は決まった形式を埋めれば済みますが、職務経歴書は形式が自由な分、書き方で評価が大きく変わります。

職務経歴書で押さえたい3つのポイント

① 冒頭の「職務要約」に、いちばん力を入れる

採用担当者は、1枚の書類をじっくり読み込むわけではありません。まず冒頭の職務要約を読んで、「募集しているポジションで活かせる経験がありそうか」を短い時間で判断しています。

職務要約には、これまでの経歴を数行でまとめ、応募先で活かせる経験がひと目でわかるように書きましょう。

② 実績は「STAR」の4点セットで書く

よくある失敗が、担当した業務を順番に並べるだけで終わってしまうことです。企業が知りたいのは、「この人は、うちの会社でも同じように活躍できそうか」です。

実績は、次の4点をセットで書きましょう。頭文字をとって「STAR」と呼ばれる、面接対策でもよく使われる型です。

  • Situation(状況):どんな職場で、どんな業務を担当していたか
  • Task(課題):そこにどんな課題や目標があったか
  • Action(行動):その課題に対して、どう工夫して取り組んだか
  • Result(結果):売上、件数、期間の短縮など、どんな成果が出たか。できるだけ数字で示す

特別な実績がなくても大丈夫です。課題にどう向き合ったかという行動が伝われば、「入社後も同じように動いてくれそうだ」と評価されます。

③ 社外の人が読んでもわかるように書く

今の会社で当たり前に使っている言葉が、社外の人には通じないことがあります。社内用語や略語は一般的な言葉に言い換え、見出しや箇条書き、表を使って、読みやすく整理しましょう。

死角:1種類の書類を、すべての応募先に使い回す

書類を一度作ると、そのまま全社に使い回したくなります。ただ、企業によって、求めている人物像は違います。

たとえば、同じ営業職でも、新規開拓を重視する会社と、既存顧客との関係づくりを重視する会社では、評価される経験が違います。どちらにも同じ職務経歴書を出すと、どちらの会社にも「なんとなく合いそう」としか伝わりません。

土台となる職務経歴書を1つ作り、応募先ごとに、職務要約や自己PRで強調する経験を書き換えるのがおすすめです。経歴そのものを変える必要はありません。応募先が求めている経験に近いものを、前に出すだけです。①で整理した転職の軸も、志望動機や自己PRを書くときの土台になります。

書類の書き方に自信がなければ、転職エージェントの書類添削を使いましょう。企業がどんな人を求めているかを知っている担当者に見てもらうことで、自分では気づけない改善点がわかります。

2-4. ④ 応募する

やること:気になる求人に、複数並行で応募する

書類ができたら、いよいよ応募です。ここで大事なのは、1社ずつ順番に受けるのではなく、複数の企業に並行して応募することです。

何社くらい応募するもの?

応募する社数は、調査によって差がありますが、10社前後が一般的です。

マイナビの「転職動向調査2025年版」では、転職した人の平均応募数は9.0件でした。一方、dodaの調査では、dodaのエージェントサービスで内定した人の平均応募数は31.9社と、かなり多くなっています。

差が出るのは、転職エージェントを使うと、紹介された求人にまとめて応募できるからです。自分で1社ずつ応募するなら10社前後、エージェントを中心に使うなら20〜30社以上になることも珍しくありません。

どちらにしても、数社だけで内定が決まることは少ないということです。書類選考で落ちるのは珍しいことではないので、数社落ちただけで「自分には市場価値がない」と落ち込む必要はありません。

死角:応募が少ないと、比べる前に決まってしまう

応募する企業が少ないと、たまたま1社だけ内定が出たとき、他と比べることができないまま、その1社に決めてしまうことになります。

「内定が出たのだから、ここでいいか」と承諾した結果、入社してから「もっと他の会社も見ておけばよかった」と後悔する。これは、転職でよくある失敗の1つです。

応募の数は、内定をもらうためだけでなく、比べて選ぶためにも必要です。比べられる状態をつくるために、次の3つを意識しましょう。

  • ①で決めた譲れない条件を満たす求人に絞る:応募数を増やすために、条件に合わない求人まで受けると、内定が出ても選べない
  • 本命の企業の選考時期を、他の企業とそろえる:本命の選考が遅れると、比べる前に、他社の内定の返事を迫られてしまう
  • どの企業に、どのサービスから応募したかを記録する:応募先が増えるほど、選考状況を見失いやすい。複数のエージェントやサイトを使っていると、同じ企業に重複して応募してしまうこともある

2-5. ⑤ 面接を受ける

やること:一次面接から最終面接まで進む

書類選考に通ると、面接に進みます。中途採用の面接は、2〜3回行われるのが一般的です。

誰が面接官になるかは企業によって違いますが、主に次の3つの立場の人が担当します。

面接官担当することが多い回見られやすいポイント
配属予定の部署の責任者・社員一次または二次スキルや経験が、実際の仕事で活かせるか
人事担当者・人事責任者一次または二次会社の雰囲気や組織に合いそうか
役員・社長最終会社の方向性と合っているか、長く働いてくれそうか

※中途採用では、一次面接から配属先の責任者が担当することも多くあります。

最近は、一次面接をオンラインで行い、最終面接だけ対面で行う企業も増えています。

面接でよく聞かれる質問

面接で聞かれることは、企業が違っても大きくは変わりません。次の4つは、ほぼ必ず聞かれると考えて準備しておきましょう。

  • これまでの経歴:実績や強みを、1〜2分程度で簡潔にまとめて伝える。詳しいことは、面接官の質問に合わせて答えればいい
  • 転職理由:なぜ今の会社を辞めて、転職しようと思ったのか
  • 志望動機:数ある企業の中で、なぜこの会社なのか
  • 逆質問:「最後に何か質問はありますか?」と聞かれる

転職理由と志望動機は、①で整理した転職の軸が、そのまま答えの土台になります。「今の会社では◯◯が実現できない。だから◯◯ができる御社を志望した」と、2つがつながっていると、説得力のある答えになります。

死角:面接は、企業を見極める場でもある

面接というと、「企業に選ばれる場」だと考えがちです。ですが、面接は、あなたが企業を見極める場でもあります。

②の死角で紹介したように、配属先の部署や上司、実際の働き方など、転職の軸に関わる大事な情報は、求人票には書かれていないことがほとんどです。こうした情報を直接確かめられるのは、面接しかありません。

特に、逆質問を活用しましょう。たとえば、次のような質問で、入社後の働き方が見えてきます。

  • 「配属予定のチームは、何人くらいで、どんな方がいらっしゃいますか?」
  • 「入社後、最初の半年ほどは、どんな仕事を任せていただく想定でしょうか?」
  • 「チームで活躍されている方には、どんな共通点がありますか?」

配属先の責任者が面接官の回は、一緒に働く人の考え方や雰囲気を知るチャンスです。「この人の下で働きたいか」という視点でも、面接官を見てみてください。

ただし、見極めることばかりに気を取られて、品定めするような態度になったり、待遇の質問ばかりになったりしては逆効果です。まずは「この人を採用したい」と思ってもらうことが前提です。そのうえで、確かめたいことを1〜2個、逆質問に織り込むくらいがちょうどいいバランスです。

2-6. ⑥ 内定・条件を確認する

やること:労働条件を書面で確認し、承諾か辞退かを決める

最終面接に通ると、内定の連絡が届きます。ここで、すぐに「ありがとうございます、入社します」と答えてはいけません。承諾する前に、労働条件を書面で確認することが大切です。

承諾する前に、書面をもらう

労働基準法により、企業は賃金や労働時間などの労働条件を、書面などで明示しなければならないと決められています。

ただし、企業によっては、内定を承諾したあとに、正式な労働条件通知書や雇用契約書を渡す運用をしていることもあります。承諾前に書面が届かない場合は、「条件を確認したうえでお返事したいので、労働条件がわかる書面をいただけないでしょうか」と、企業や転職エージェントに依頼しましょう。内定通知書やオファーレターなど、条件が書かれた書類でもかまいません。

書面で確認したい項目

特に、次の項目は必ず確認しましょう。

項目確認するポイント
雇用形態・契約期間正社員(期間の定めのない雇用)か。最初の数か月だけ契約社員になっていないか
試用期間期間の長さ。試用期間中に、給与や待遇が下がらないか
年収・給与基本給はいくらか。賞与や残業代は、年収にどう含まれているか
労働時間・残業所定の労働時間、固定残業代(みなし残業)があるか
勤務地・仕事内容入社時の勤務地と仕事内容、将来変わる可能性があるか
入社日今の会社の退職手続きに間に合う日程か

2024年4月からは、入社時の勤務地や仕事内容に加えて、将来変わる可能性のある範囲(転勤や異動の範囲)も明示することが義務づけられました。①で「転勤がない」を譲れない条件にした人は、ここを必ず確認してください。

死角:面接で聞いた条件と、書面の条件が違う

面接では「年収600万円くらいを想定しています」と言われていたのに、書面を見ると、そこには固定残業代や賞与が含まれていた。こうした食い違いは珍しくありません。

たとえば、同じ「年収600万円」でも、次の2つでは中身が大きく違います。

  • 基本給だけで年600万円。残業代は別に支払われる
  • 年600万円のうち、月40時間分の固定残業代が含まれている。賞与は業績によって変わる

口頭で聞いた条件は、書面に書かれていなければ、入社後に「そんな約束はしていない」となってもおかしくありません。内定を承諾する前に、必ず書面で確かめるようにしましょう。

返事の期限と、条件の交渉

内定の返事の期限は、1週間程度とされることが多いです。他の企業の選考結果を待ってから決めたい場合は、期限を延ばしてもらえないか相談してみましょう。

  • 転職エージェント経由の場合:担当者に事情を正直に伝えれば、企業との日程調整を代わりに交渉してくれる
  • 直接応募の場合:「他社と迷っている」とストレートに伝えると、志望度が低いと受け取られることがある。入社への前向きな気持ちを伝えたうえで、「大事な決断なので、◯月◯日までお時間をいただけないでしょうか」と丁寧に相談するのが安全

年収などの条件を交渉したい場合も、内定を承諾する前に伝える必要があります。承諾した後では、交渉はほぼできなくなるからです。

2-7. ⑦ 退職・入社の準備

やること:退職を伝え、引き継ぎをして入社する

内定を承諾したら、今の会社に退職を伝えます。退職から入社までは、次の流れで進めるのが一般的です。

順番やることポイント
1直属の上司に、退職の意思を伝える最初に伝えるのは直属の上司。同僚に先に話すのは避ける
2退職日と最終出社日を決め、退職届を出す残っている有給休暇の日数から逆算して、最終出社日を決める
3業務の引き継ぎをする最終出社日までに終わるよう、資料にまとめておく
4有給休暇を消化する最終出社日の翌日から、退職日まで休む
5書類の受け取り・返却をする社員証やPCなどを返却し、転職先に出す書類を受け取る

ここで押さえておきたいのが、退職日と最終出社日は別だということです。退職日は、会社に籍がある最後の日。最終出社日は、実際に出社する最後の日です。有給休暇がたくさん残っている場合は、最終出社日を早めに設定して、残りの期間を有給休暇の消化にあてるのが一般的です。引き継ぎのスケジュールは、この最終出社日から逆算して組みましょう。

退職を伝えるのは、内定を承諾してから

退職を伝えるのは、転職先の内定を承諾し、入社日が決まってからにしましょう。内定が出る前に退職を伝えてしまうと、もし選考がうまくいかなかったときに、行き場がなくなってしまいます。

多くの会社では、就業規則で「退職の1〜2か月前までに申し出ること」と決められています。引き継ぎのためにも、できるだけ就業規則に沿って余裕を持って伝えるのがマナーです。

ただし、法律上は、正社員(期間の定めのない雇用)の場合、退職を申し出てから2週間たてば辞められるとされています。どうしても会社と退職日の合意ができない場合でも、退職できなくなるわけではありません。

転職先に出す書類を確認する

転職先の手続きで、次の書類の提出を求められることがあります。何が必要かは会社によって違うので、転職先の案内を確認しましょう。

  • 源泉徴収票:転職先で年末調整をするときに必要。最後の給与が確定したあとに、郵送などで届くのが一般的なので、退職日に受け取れなくても心配はいらない
  • 雇用保険被保険者証:転職先で雇用保険に加入するときに求められることがある。今の会社が保管している場合は、退職時に受け取っておくと安心

死角:引き止められて、決心が揺らぐ

退職を伝えると、上司から引き止められることがあります。

  • 「来期から給料を上げるから、残ってくれないか」
  • 「希望していた部署に異動できるよう、掛け合ってみる」
  • 「今辞められると、チームが回らなくなる」

こうした言葉をかけられると、つい気持ちが揺らぎます。ですが、引き止めに応じて残ることには、見落としやすいリスクがあります。

  • 「一度辞めようとした人」と見られる:条件が改善されても、社内では「いつかまた辞めるかもしれない人」と受け取られ、大事な仕事や昇進で後回しにされることがある
  • 転職の理由がそのまま残る:給料や部署が変わっても、①で整理した不満の根本が解決するとは限らない
  • 転職先に迷惑をかける:すでに承諾した内定を辞退することになる

引き止めを避ける最大のコツは、退職を「相談」ではなく、「決まったことの報告」として伝えることです。「少し悩んでいて…」「ご相談があるのですが…」と切り出すと、上司は「条件次第で残ってくれるかもしれない」と考え、引き止めやすくなります。

「すでに転職先の内定を承諾し、退職することを決めました」と、礼儀正しく、かつはっきり伝えましょう。そのためにも、退職を伝える前に、①の転職の軸をもう一度見直して、自分の中で決心を固めておくことが大切です。


3. 在職中と退職後、どちらで転職活動をするべきか

転職活動は、今の仕事を続けながら進める方法と、退職してから進める方法があります。それぞれの違いを比べてみましょう。

在職中に進める退職後に進める
お金給料が入り続ける収入が途切れる。一方で、住民税や保険料の支払いは続く
時間仕事の合間に進めるので、時間が限られる転職活動に集中できる
面接の日程仕事と調整する必要がある企業の希望に合わせやすい
気持ちの余裕内定が出なくても今の仕事があるので、焦らずに選べる期間が長引くほど、焦りが出やすい
企業からの見え方特に問題はない空白期間が長いと、理由を聞かれることがある

結論:在職中に進めるのが基本

迷ったら、在職中に進めるのがおすすめです。

いちばんの理由は、気持ちの余裕です。退職してから転職活動を始めると、収入がない期間が続くほど、「早く決めないと」という焦りが大きくなります。その結果、①で決めた転職の軸を満たしていない企業でも、内定が出たらそのまま承諾してしまいがちです。

在職中であれば、内定が出なくても今の仕事があります。納得できる企業が見つかるまで、比べて選ぶことができます。

「仕事が忙しくて、面接に行く時間がない」と感じるかもしれません。ですが最近は、一次面接をオンラインで行う企業が増えており、平日の夜に面接を設定してくれる企業もあります。オンライン面接や、有給休暇・半休をうまく使えば、仕事を続けながらでも十分に進められます。

退職後に進めた方がいいケース

一方で、次のような場合は、退職してから転職活動を始めることも考えましょう。

  • 今の仕事が忙しすぎて、転職活動の時間がまったく取れない
  • 心身の調子を崩していて、今の職場で働き続けることがつらい

特に、心身の不調がある場合は、無理に働きながら転職活動を続けるより、まず休むことを優先してください。

退職後に進めるなら、お金の準備をしておく

退職後は収入が途切れますが、支払いは止まりません。特に見落としやすいのが、住民税と保険料です。

  • 住民税:前の年の収入をもとに計算されるので、退職して収入がなくなっても請求が届く
  • 健康保険・年金:会社の保険から抜けるので、国民健康保険と国民年金などに自分で切り替えて、保険料を払う必要がある

家賃や食費などの生活費に加えて、こうした支払いも見込んで、3〜6か月分ほどの貯金を確保しておくと安心です。

失業手当は、すぐには受け取れない

自分の都合で退職した場合、雇用保険の失業手当(基本手当)は、すぐには受け取れません。手続きをしてから7日間の待期期間のあと、原則1か月の給付制限期間があります(2025年4月以降に退職した場合)。

ただし、心身の不調などやむを得ない理由で退職した場合は、給付制限がかからないこともあります。

また、失業手当を受け取るには、退職前に雇用保険に一定期間以上加入していたことなどの条件があります。受け取れるかどうか、いつから受け取れるかは人によって違うので、退職する前に、ハローワークで確認しておきましょう。


4. 並行応募を管理するコツ

④で紹介したとおり、転職活動では10社前後、エージェントを中心に使うならそれ以上の企業に並行して応募します。応募先が増えると、意外と大変なのが選考状況の管理です。

管理しないと起こりがちなこと

  • 面接の日程や、内定の返事の期限を忘れる
  • どの企業に、どのエージェントから応募したかがわからなくなる
  • 面接のお礼や、書類の提出などの対応が漏れる
  • 企業ごとの条件や印象を覚えておけず、内定を比べるときに困る

特に、複数のエージェントを使っていると、情報がエージェントごとの管理画面やメール、カレンダーにバラバラに散らばります。どこを見れば最新の状況がわかるのか、自分でも把握できなくなってしまうのです。

1か所にまとめて記録する

対策はシンプルで、すべての応募先の情報を、1か所にまとめて記録することです。記録しておきたいのは、次のような項目です。

項目例
企業名・職種株式会社◯◯、Webマーケター
応募経路doda経由、企業サイトから直接応募 など
選考状況書類選考中、一次面接済み、内定 など
次にやること・期限二次面接(10月15日)、内定の返事(10月20日まで)
条件・メモ提示された年収、面接で聞いた話、自分の印象

この記録は、⑥で複数の内定を比べるときにも、そのまま判断材料として使えます。

スプレッドシートやメモアプリで管理してもかまいません。大切なのは、「ここを見れば全部わかる」場所を1つ決めておくことです。

テンシルボードで管理する

テンシルでは、こうした転職活動の管理に使える無料ツール「テンシルボード」を提供しています。

  • 応募状況をカンバンで管理:「気になる」から「内定」まで、選考の段階ごとに企業を並べて、ドラッグ&ドロップで更新できる
  • アクション管理:面接やお礼メールなどのやることを記録して、対応漏れを防げる
  • ログイン不要ですぐに使える:応募先の社名や選考状況などのデータは、テンシルのサーバーには送られず、お使いのブラウザに保存される。Googleアカウントと連携すれば、自分のGoogleドライブへのバックアップや、他の端末からの閲覧もできる

応募先が3社を超えたあたりから、管理の手間は一気に増えます。転職活動を始めるタイミングで、管理する場所も決めておきましょう。


5. よくある質問

Q1. 転職活動は、まず何から始めればいい?

転職の軸を決めることから始めましょう。 求人を見るのは、その後で十分です。

「軸と言われても、何から考えればいいかわからない」という人は、まずこれまでの仕事の棚卸しから始めてみてください。担当してきた業務を書き出し、それぞれについて「得意だったこと」「楽しかったこと」「ストレスだったこと」をメモしていくと、次の会社に求めるものが見えてきます。

軸が決まったら、転職エージェントに登録して、担当者との面談を受けてみてください。自分の経歴でどんな求人が狙えるのか、年収の目安はどれくらいかがわかり、転職活動の全体像がつかめます。

Q2. 仕事が忙しくて、転職活動の時間が取れない

最初から完璧に進めようとしないことが大切です。 平日は求人のチェックや書類作成を少しずつ進め、面接はオンラインや有給休暇・半休を使って受ける、という進め方でも十分間に合います。

転職エージェントを使えば、求人探しや面接の日程調整を任せられるので、自分でやることを減らせます。

Q3. 転職活動をしていることが、今の会社にバレない?

自分から話さない限り、基本的には知られることはありません。 ただし、次の点には気をつけましょう。

  • 転職サービスには、会社のメールアドレスではなく、個人のメールアドレスで登録する
  • 会社のパソコンやスマートフォンで、転職サイトを見たり、書類を作ったりしない
  • スカウトサービスを使う場合は、今の会社に自分の情報を見せない設定をしておく
  • 勤務時間中やオフィスの近くで、エージェントや企業からの電話に出ない。折り返しは、仕事が終わってから社外でする
  • 普段私服で働いている場合は、面接の日の服装や着替える場所に気を配る
  • 内定が決まって退職日が確定するまで、同僚や社内の人に話さない

Q4. 書類選考に、なかなか通らない

調査によって差はありますが、応募した企業のうち、書類選考に通るのは2〜4割ほどです。書類選考で落ちること自体は、珍しくありません。

ただ、10〜15社以上続けて1社も通らない場合は、次の点を見直してみましょう。

  • 応募先:求められている経験やスキルと、自分の経歴に大きな差がないか
  • 書類の使い回し:応募先が求めている人物像に合わせて、職務要約や自己PRを書き換えているか
  • 職務経歴書:冒頭の職務要約で、応募先で活かせる経験がひと目で伝わるか
  • 担当者:転職エージェントを使っているなら、紹介される求人や書類のアドバイスが的確か

担当者との相性に不安がある場合は、転職エージェントの比べ方も参考にしてください。

Q5. 転職活動をしてみたけど、やっぱり今の会社に残ってもいい?

もちろん問題ありません。 在職中に転職活動をする大きなメリットは、「転職しない」という選択肢を残しておけることです。

転職活動を通じて、今の会社の良さに気づいたり、不満の原因が会社ではなく部署や上司にあるとわかったりすることもあります。その場合は、社内異動など、転職以外の方法で解決できないかを考えてみましょう。

大切なのは、転職すること自体ではなく、①で整理した不満や目標を解決することです。


6. まとめ:転職の軸を決めて、比べながら進めよう

転職活動は、次の7つのステップで進みます。期間は約3か月が目安ですが、仕事をしながら進めていると、6か月ほどかかることも珍しくありません。焦らず、1つずつ進めていきましょう。

ステップ見落としやすい死角
① 転職の軸を決めるその不満は、本当に転職でしか解決できないか
② 情報収集・登録求人票には、いちばん知りたいことが書かれていない
③ 書類を作る1種類の書類を、すべての応募先に使い回してしまう
④ 応募する応募が少ないと、比べる前に決まってしまう
⑤ 面接を受ける面接は、企業を見極める場でもある
⑥ 内定・条件を確認する面接で聞いた条件と、書面の条件が違う
⑦ 退職・入社の準備引き止められて、決心が揺らぐ

7つの死角に共通しているのは、自分の軸を持たないまま、目の前の選択肢に流されてしまうことです。最初に転職の軸を決め、複数の選択肢を比べながら進めれば、後悔のない転職に近づけます。

まずやること

  1. 転職の軸を決める:今の不満を書き出し、譲れない条件を3つに絞る
  2. 転職エージェントに登録する:大手3社に登録して、担当者や求人を比べる → 【転職エージェントおすすめ】大手3社の併用登録が正解|リクルート・doda・マイナビの使い分けと比べ方
  3. 応募の管理場所を決める:選考状況や面接日、返事の期限を1か所にまとめて記録する → 無料で使える「テンシルボード」なら、応募先ごとの選考状況をカンバンでひと目で管理できます