企業リサーチ

NTTの平均年収は1,056万円

国税庁統計の国内正社員平均545万円と比べると約1.9倍。有価証券報告書や公式開示データなど、一次情報だけを根拠に給与・組織構造・中途採用の実態を整理する。

有価証券報告書(第41期) / EDINET doc_id S100YCP3・提出日2026-06-16

1,056万円平均年収(単体・2025年度)

NTT株式会社の平均年収は1,056万円(有価証券報告書より、持株会社単体)。国内正社員の平均年収545万円の約1.9倍にあたる。この記事では、その数字の出典から組織構造、中途採用の実態まで、公開されている一次情報だけでNTTの実態を整理する。

転職管理ツールなら、テンシル。

テンシルボードを見る →

NTTの平均年収を有報の数字で確認する

「平均年収1,056万円」の根拠は有価証券報告書だ。上場企業に法律で提出が義務づけられている書類で、「従業員の状況」という項目に平均年間給与・平均勤続年数・平均年齢が毎年開示される。会社の広報発表ではなく、法律に基づく開示情報という点が数字の信頼性を支えている。なお、持株会社は2025年7月1日に商号を「日本電信電話株式会社」から「NTT株式会社」へ変更しており、本記事の数字は改称後の法人が提出した有価証券報告書によるものだ。

項目数値出典
平均年間給与(単体)10,562,434円有価証券報告書
平均勤続年数(単体)15.6年有価証券報告書
平均年齢(単体)41.4歳有価証券報告書
従業員数(単体/連結)2,606人/344,196人有価証券報告書
国内正社員の平均年収545万円国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査
倍率約1.9倍上記2数値からの計算値

平均年収の比較(万円)

NTT1,056万円
国内正社員平均545万円

なぜここまで差がつくのか

NTTは1985年、電電公社の民営化によって誕生した日本最大の通信持株会社だ。NTT東日本・NTT西日本・NTTドコモ・NTTデータなど、グループ全体では34万人を超える従業員を抱える。だが有価証券報告書の平均年収を構成するのは、グループ経営・研究開発などの本社機能に特化した持株会社単体の社員2,606人だけだ。「NTT」という巨大なブランドの規模感と、実際に数字を作っている母集団の小ささには大きな乖離がある。

働き方の実態――管理職・育休のデータ

働き方に関する数字も、有価証券報告書の「従業員の状況」欄に持株会社単体の実績として開示されている。

管理職に占める女性の割合

14.7%

2025年度実績・単体

男性の育児休業取得率

125.5%

2025年度実績・単体・法定開示の定義上100%を超えることがある正規の数値

出典: NTT株式会社 有価証券報告書(管理職に占める女性の割合・男性の育児休業取得率、いずれも2025年度実績・持株会社単体)

NTTは中途採用をしているのか

「巨大な持株会社に個人が直接応募できる窓口はないだろう」と思われがちだが、実はNTT株式会社自体が中途採用を行っている。ただし、その入口は一般にイメージされる採用ページとは違う場所にある。

年度NTT研究所 経験者採用の掲載求人数
2026年9月時点64

NTT株式会社は「NTT研究所」という研究開発組織を自社内に持ち、その経験者採用(3年以上の就業経験が基本要件)を自社の専用サイト(ntt-rd.snar.jp)で直接募集している。職種はAI・ネットワーク・材料デバイス・量子コンピューティングなど専門職中心で、ポストドクター職も複数含まれる。一方、営業・企画・バックオフィスなど研究開発以外の一般的な中途採用は、NTT東日本・西日本・ドコモといった事業会社がそれぞれの採用窓口で個別に行う。

巨大企業でも起こる「求人サイトの死角」

ここに求人サイトの死角がある。NTT株式会社自体が64件もの求人を直接出しているにもかかわらず、dodaで「日本電信電話」「NTT」を検索しても、その求人は一件も出てこない。理由は単純で、これらの求人は大手求人サイトには掲載されず、NTT研究所専用の採用サイトにだけ載っているからだ。求人サイトを主戦場とする転職エージェントの目線では「NTT株式会社の求人は無い」ように見えてしまうが、実際には専門職に絞った直接応募の窓口が別に存在する。

よくある質問

NTTの平均年収はなぜ1,000万円を超えるのですか?

有価証券報告書に開示された平均年間給与が10,562,434円(≒1,056万円)だから。対象はグループ全体ではなく、グループ経営・研究開発を担う持株会社単体の社員2,606人である点が大きい。

NTTは中途採用をしていますか?

している。NTT株式会社自体もNTT研究所の経験者採用として、2026年9月時点で64件の求人を専用サイト(ntt-rd.snar.jp)に直接掲載している。研究開発以外の職種はNTT東日本・西日本・ドコモなど傘下の各法人がそれぞれ募集している。

平均年収の数字はどこで確認できますか?

金融庁のEDINETで、NTT株式会社が提出した有価証券報告書(doc_id: S100YCP3、提出日2026-06-16、第41期)の「従業員の状況」欄から誰でも確認できる。

「男性の育児休業取得率125.5%」は数字が間違っているのですか?

間違いではない。法定開示の定義上、「当期中に育児休業等を開始した従業員数」を「当期中に出産(配偶者の出産を含む)した従業員数」で割るため、対象期間のズレによって100%を超えることがある正規の数値。有価証券報告書に開示されている持株会社単体の数字をそのまま採用している。

dodaで検索してもNTT株式会社の求人が出てこないのはなぜですか?

求人が無いからではなく、掲載場所が違うから。NTT株式会社自体の64件の求人はNTT研究所専用の採用サイト(ntt-rd.snar.jp)にのみ掲載されており、doda等の大手求人サイトや契約エージェント経由では見つからない構造になっている。

転職管理ツールなら、テンシル。

テンシルボードを見る →

他の企業の年収も見る